今日を摘む

ハガキでは間に合わないときの手紙ばこ。

せんせいのなつやすみ。5日目

今日のテーマはお金の稼ぎ方です。

お金は大事だよ、というメッセージはそこかしこにあふれているのですが、

「お金をどう大切にすればいいのか?」

っていうのは明言されていないんですよね。

お金は大きく二つ、

どう稼ぐか? どう使うか?

この二つに別れています。
お金の稼ぎ方もいろいろあるのですが、私の考えはこうです。

①ESBIを意識する
②投資する


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ESBIとは、自分が属する労働体系のこと。
投資には様々な意味がありますが、ここではドルコスト平均法による積み立て投資を指します。

ESBIは、

・Employee(労働者)
・Self employee(自営業者)
・Business owner(ビジネスオーナー)
・investor(投資家)

のことです。

例えば、私は公務員なのでここではEmployeeにあたります。
Employee(労働者)の特徴は、

・自身の労働力を切り売りしている
・給与は雇い主が決めているため、大幅なアップは望めない
・同様に、労働時間を自分で調整することもできない
・その代わり、一定の給与が保証されている

もし私が、

今以上の給料がほしい!
もっと時短して効率よく稼ぎたい!

そう思うなら、独立してSelf employee以上の立場を目指す必要があるわけです。

もしくは本を出すなど、自分の代わりに稼いでくれる商品を生み出す必要があります。
つまり、権利収入を得るBusiness ownerの立場にも足を置くわけです。

ESBIを意識すると、「自分は今どこの階層にいるのか?」が分かるようになります。

②投資する

いろんなところでいわれていますよね、投資をしろ! って。
お金の投資はもちろん、自分を高めるための自己投資など、いろんな場面で使われる言葉でもあります。

お金を稼ぐために必要な投資とは、

ドルコスト平均法

です。

いわゆる、投資信託(インデックスファンド)といわれるものです。

私は楽天・全世界株式インデックス・ファンドを利用してます。

ざっくり現在の成果を伝えると、

投資額 50,000円現在評価額 50,500円

細かい計算をすっ飛ばすと、投資額の1パーセントが儲かりました。

なぜ、投資は儲かるのか?
簡単にいうと、不景気であっても、世界全体は少しずつ成長しているからです。

 

株式も含め、投資とはなにか?
投資とは、企業にお金を貸すことで、その貸出利息(配当金)をもらうことです。

もちろん、お金を貸した企業がうまく軌道に乗れず、倒産することもあります。
貸したお金が返ってこない。
これを貸し倒れといいます。

株式投資で損をすることがあるのは、このためです。
(倒産までいかなくても、大幅な赤字が出たときは配当金は減らされてしまいます)

 

投資信託も基本は同じです。
企業の株を買って、配当金をもらうことで利益を出している。
個別の株式と違うのは、投資信託は専門のトレーダーがいることと、みんなでお金を出し合って株を買っていることです。

例えば、Amazon COMの株は、一株約3,656ドル(402,160円)です。

全く手が届かない値段ではないですが、なかなか厳しいですよね。
そこで、投資信託会社がお金を集め、専門のトレーダーがベストなタイミングで売り買いをするわけです。

お金だけ渡せば、あとは専門のトレーダーがいいようにやってくれるってことですね。


対して、株式投資はそれらの行程を全て個人で行わなければなりません。

投資したい会社を探して、お金を決済する。
今はネットがあるのでたいした手間ではありません。
しかし、株式は個別の会社に投資をするものなので、アップダウンを予測するのが難しいのです。

株式投資は危険だ! 投資信託にしろ!

というのも、こういった理由からです。
なので、素人は

投資信託買って、毎月少しずつ掛け金をかけて、評価額がじわじわ上がっていくのを待つ」

というのがいいと思います。

ちなみに、投資信託は10~30年くらい預けっぱなしにします。
即金で稼げるものではありません。
楽に儲かるけど、ながーいながーい時間がかかるよってものです。

投資信託についてもっと知りたい! という方はこちらがオススメです。

 

 

あと、「月収10万円女子」のYouTuber、もちさんの動画も好きでよく見てます。

もちさんは株式投資をメインにされてるので、株主優待の話などがよくでてきます。
私も貯金のプール金が30万くらい貯まったら株式やってみようかな、と計画中です。

さて、明日はお金の使い方についてです。
実は、稼ぎ方より使い方の方が大事なのでは? なんて思っています。

せんせいのなつやすみ。4日目

学校は非ペーパーレス社会。
紙の海に溺れないよう、バタ足でしのぐ毎日なのです。

〈紙々との闘い〉

私の場合、

①モノの場所を決める
②ラベリング&ファイリング
③いらないと思ったら捨てる(紙以外)

この3つをポイントに紙や物を整理しています。

①モノの場所を決める


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まず、机の引き出しに入れるものを決めます。
私の職員室デスクはこんな感じ。

紙類は机の上・左の引き出し・右側一番上の引き出し、この三箇所にしかいれません。
「あれ? あの資料どこだっけ??」となった場合、この三箇所を探せば見つかる仕組みです。

もし見つからなかったら、こっそり校内LANでデータベースを検索して該当資料を印刷し直します。

②ラベリング&ファイリング


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クリアファイルにラベルをつけて、資料ごとにまとめます。
(ラベルはマスキングテープを貼って、油性ペンで書
きます)


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職員会議の資料や研修資料など、通年を通して使いそうなもの、量が多そうなものは2穴ファイルにどんどこ綴じていきます。

そして、ここでもラベリングです。
付箋をつかい、「いつの資料か?」というのが分かるようにしておきます。

あと、職員会議の資料は、


「もう7月だし、4月の資料は捨てちゃおう!」と、いうのはやめましょう。

いやマジで。
成績関係のものなど、通年を通して使うものもこっそりまぎれています。

会議資料については、1年分は保存していたほうがいいです。
来年、いきなり「○○の行事を担当してもらうから、資料よろしくね!」ってなるかもしれません。
前年度の担当者が移動してしまったら、資料だけが頼りです。

③いらないと思ったら捨てる(紙以外)

机の中にいつの間にか増えているボールペンや付箋…。
いらないと思ったら捨てましょう。
もしくは、職員室の文具箱に寄付しましょう。

特に、私みたいに文具に並々ならぬこだわりがある人。
そういう人は自分が使いたいと思ったもの以外、基本使いません。

「新品だし、もったいないなあ……」

そう思ったときこそ、自分の心に聞いてみましょう。
そのボールペン、使うと思う? と。

私、SARASAの0.4以外使わないな。
みたいな。

自分の好みから外れたものは迅速に処分しましょう。

ー・ー・ー・ー

片付けの方法はこんまりさんのときめきメソッドをはじめ、様々なものが出ていますよね。
私のおすすめはこちらです。

 

 

 

著者のなぎまゆさんはズボラ&オタクなので、私も共感するところが多かったです。
なぎまゆさんが発信するメッセージとして、

「モノをもつということは、それを管理するということだ」

というものがあります。
多くのモノを持てば、それを管理する手間も多くなります。

あなたはどうですか?

私は管理能力は低いほうです。
自分の持ち物を把握したりメンテナンスしたり、そういうのがめんどくさいタイプです。

それを私は持っているか?
持っているならどこにしまってあるのか?

そういうことがパッと分かる程度のモノしか、私は持てないんですよね。
ま、これも向き不向きです。

自分にちょうどいい方法を見つけて、非ペーパーレス社会の海を泳いでいきましょう!

せんせいのなつやすみ。3日目

今日はお役立ち豆コーナー✩をやろうと思います。
(と、思ったら前置きが長すぎてそこまでたどり着けませんでした)


教員の世界に初めて足を踏み入れたとき、思いませんでしたか?

紙、多!!

って。

教員の世界は非ペーパーレス社会です。
おそらく、あと10年くらいはこのままでしょう。

どうしてかというと、

①紙でこと足りる規模の人数しかいない
(30~50人程度)

②データ閲覧のみにした場合、そのためのデバイスが必要

③資料には生徒名・教員名が載っているため、セキュリティ的な面で配信がためらわれる

などなど。
まあ、ペーパーレス化に踏み切れない要因がけっこうあるんですよね。

ちなみに、うちの自治体では、一人1台ずつ、PCとタブレットPCが配備されています。

(ちなみに、タブレットPCのRAMは4Gです。
ちまたではクソスペックだと言われてるアレです。
Wordいじってるだけで、バッテリーが目玉焼き焼けそうなくらい熱くなります)

ネット環境については、

・PCネット接続なし(校内LANのみ)
タブレットPCネット接続あり

という感じです。
え、「PCのネット接続なし」ってどういうことかって?

要はただのワープロです。
生徒名簿にアクセスできるだけのただのワープロ
まあ、生徒名という機密情報を守るための最強のセキュリティをかけている、ってことです。

(……なので、学校で調べものをしたいときは自分のスマホで調べるのが一番です)


そんなこんなで、ペーパーレス化なんて夢のまた夢。
毎日配られる紙資料と格闘するのも先生の仕事だったりするのです。

膨大な紙資料との闘いの様子はまた明日!

せんせいのなつやすみ。2日目

最後かもしれないだろ。
ーーだから、全部話しておきたいんだ。


まあ、語るのはザナルカンドのことじゃなくてフーシーのことなんですけどね。


〈本日の気付き:金属と木の違いから考察〉

ムゲンさまとシャオヘイがあやつる金属。
フーシーがあやつる木。
それぞれの特性から、考察してみました。


金属は変幻自在だ。
無機物ゆえに、引き伸ばされても叩き潰されても元に戻ることができる。

はたして、木はどうだろう。
有機物である木は、多少の弾力はあるものの、無理な力を加えると折れてしまう。
折れたところは元には戻らない。
替えのきかない。
融通もきかない。
なんと、わがままで脆い存在か。


私たち人間も有機物である。
現代では、時代に合わせて柔軟に変化することが美徳とされている。

しかし、それは本当にいいことなのだろうか?


無理に合わせようとすれば、どこかが蝕まれていく。
過剰な負荷をかけ続ければ、それは取り返しのつかない形で跳ね返ってくる。
折れた木は元には戻らない。

「妖精は人間と共存するしかない」

現実世界においても、多様性を認めることは望ましいこととして奨励されている。
でも、心のうちではどうだろうか。


もちろん、多様性があることは素晴らしい。
なぜなら、多様性は絶滅のリスクに強いからだ。

農家が様々な品種の作物を栽培するのも、
モノカルチャー経済が安定とはほど遠いものであるのも、

何か一つのものに依存するのは、その一つに問題が起きたとき、全て消え失せてしまう可能性があるからなのです。

つまり、

多様性とは、「種の存続のためのシステム」

なのです。

感情とは全く別。
個のためではなく、人間という種の存続のために必要なだけなのです。

そして、このシステムを維持するために私たちの心が犠牲になっている。


私たちの、

「変わりたくない」
「よそのものなんか受け入れたくない」

という気持ち。
その気持ち自体は間違いではありません。

多様性を受け入れることは大切です。
自分たちと違うものを排除する世界は健全とはいえません。

だからこそ、

「変わりたくない」
「よそのものなんか受け入れたくない」

そんなマイナスに見える気持ちを表明できない世界は違う、と思うのです。


ー・ー・ー・ー


「ぼくがここに」
作:まど みちお

ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも ぼくに かさなって
ここに いることは できない
もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない
ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに まもられているのだ
どんなものが どんなところに いるときにも
その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として

(光村図書 国語教科書 中学1年生より引用)


私はこの詩に感動しました。
とても、とても大切なことを言っている。

でも、この大切なこと。
どうやって説明したらいいのだろう?
私は思いつきませんでした。

結局、昨年の授業ではこの詩を取り上げませんでした。
羅小黒戦記を見て、フーシーを見て…。
今なら、この詩が伝えようとしている大切なことを理解できます。


ムゲンさまはこう言います。


「妖精と人間は共存するしかない」

と。

でも、フーシーの願いはムゲンさまの提示するものとは相容れなかった。
フーシーはこそこそ隠れて暮らすことはいやだった。
じゃあ、どうしたらいい?

お互いの願いが相反するとき、どうしたらいいのだろう?

 

ぶつかるしかない。

ぶつかるしかないんだよ。
だって、同じ場所に二人同時には立てないんだ。
なら、それぞれの存在をかけて尊厳をかけて、互いにぶつかるしかないんだよ。
それが、生きるってことなんだよ。

 

共存、多様性。

なんて美しい言葉でしょう。
どんな問題も優しく包み込んでくれる、ふところの広い言葉でしょう。

それらの言葉ですべてくるんでそのまま扼殺して、まるで初めから何もなかったかのようにしてしまうのでしょう。


対立がないから理解がない。
理解がないから解決もしない。

今の世界は、対立をさけることで多くのことから目をそむけているように思えます。

 


ー・ー・ー・ー

 

さて、真面目なこといっぱい書いたので、ちょっと息抜き。

 

ちょっと思いついたんですけど、ロシャオって、

「しま⚫ろうの皮をかぶったまどマギ

じゃないですか?

 

あんなハッピージャムジャム踊ってそうなかわいい絵柄で、なんちゅう結末を見せてくるんだ、という。

 

初見のとき、

「うんうん。フーシーはがんばったよ。

 きっと館の人たちもフーシーのきもちは理解してくれたと思うよ。

 牢屋入りは仕方ないけど、でも、いつの日か自由になれる日がく……え?

え、いや、ちょ……ええええええええええええ!?!??!!!!」

ってなりましたもんね。

 

あの日以来、私の心が行方不明なんですよね。

銭形警部に捜索を依頼しましたが、まだ見つかっていません。

 


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フーシーの隣にいるシャオヘイは「ザ・男の子!」って感じの顔になって好きです。

 

最後に。

塚口サンサン劇場さま、再上映ありがとうございました!

これを楽しみに一学期を駆け抜けたといっても過言ではなかったです!

せんせいのなつやすみ。1日目

……仕事だけどな!

 

うちのクラスでは毎日の日記を宿題として課しています。
せっかくなので、私もやってみることにしました。
なるべくさぼらないようにがんばります。

 

〈なつやすみ一日目 7月21日〉

今日は一学期のことを振り返ってみました。
ちなみに、私は中学校で特別支援学級の担任をしています。
所持免許は国語です。
ぶっちゃけ、特別支援教育に関してはまったくのシロートです。

 

なぜ、特別支援教育のどシロートの私が特別支援学級の担任をしているのか?
ひとことで言うと、お上に任命されたからです。

 

自治体によって違うと思うのですが、私のところでは特別支援学級の担任の先生は、希望者の中から採用時に適当に選ばれる仕組みです。


教員採用試験の願書に「特別支援学級の担任を希望するか? 否か?」という項目があり、それにチェックをつけるのです。

 

もちろん、


「はい! ぜひやりたいです! 特別支援教育のことも勉強してます!!」


という人もいれば、


「そこまで特別支援教育について詳しいわけじゃないけど、別にやってもいいかな」


という人もいます。

 

私は後者でした。
合格発表を受けてから半年間、


「っしゃ! 念願の国語教諭になれたぜ! 古文も現代文もしっかり読み込んで、4月にそなえるぜ!!」


って勉強してたら、


特別支援学級の担任おねがいしまーす♪」


って電話がいきなり来たんですよね。

しかも3月。

 

「え!? そっち!??」

 

気合入れて勉強してただけに、電話を受けた直後はずっこけそうになりました。


……だって、もう3月だよ? あと数週間したら新学期はじまっちゃうよ!?
せめて、あと、一ヶ月早く知りたかっ……。
(公務員の人事の宿命上、仕方ないことではあるんですが…)

 

まあ、そんなこんなで私の特別支援教育生活はいきなり始まりました。


どシロートゆえの「確信が持てない」という不安と迷いにうんうんうなりつつ、当たってくだけろの精神でもって一学期は駆け抜けました。

 

大変なこともあるけれど、この世界はこの世界で気になることがどんどん出てきてすごく面白いです。
夏休みも子どもたちと本気で遊びながら(神経衰弱でボロ負けした)、特別支援教育について勉強していきたいと思います。


釣りも虫ずもうもダイビングで王冠探しもないけれど、せんせいも夏休みを楽しみます。

チャイニーズ・ドリームに想いをはせる   ー"正しい"が決められた世界でー その2 民主主義の限界と共産主義の未来


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前回「1 現在の中国ー経済発展ー」へんでは、中国がつけてきた基礎体力、"経済"についての考察を述べました。

国家主席の鶴の一声で外資企業を閉め出し、中国は他国から利益をかすめ取られない安全な経済圏を手に入れた。
まあ、真の目的は情報統制とか思想統制のためだと思うのですが、結果として自国の経済を守ることにつながったんですよね。

現在、中国のGDP国内総生産)は世界第二位。
アメリカを抜かすのではないかといわれています。
ちなみに、日本のGDPは第三位です。

しかし、三位以下の数字に意味はありません。
なぜなら、世界の投資をGAFAなどのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)が牛耳っている以上、他国が二位以上にのし上がることはないからです。

投資とは、富めるものがますます富み、持たざるものはますます奪われる仕組みです。
世界中の企業に投資し、配当利益をせっせと集めるGAFAと他の企業の富の差は開くばかり。
決して追いつくことはないでしょう。

大番狂わせの可能性を秘めているのはただ一つ。
GAFAの利益搾取の腕から守られている中国企業です。

中国は共産党という大きな傘に守られている。
傘の外にいる私たちはこんなふうに思います。

「でも、中国って一党独裁の国でしょう?
 自由のない国って窮屈なんじゃないの?」

きっと、彼らはこう返すでしょう。

「民主主義? 自由の国アメリカ?
 ……それってもう死語でしょう?」

実は、私たちが当たり前のように信じてきた民主主義も、一つの限界を迎えているのです。
いま私たちの世界に何が起こっているのか。
何を信じていけばいいのか。
そこを掘り下げて行きたいと思います。


チャイニーズ・ドリームに想いをはせる
  ー"正しい"が決められた世界でー
その2 民主主義の限界と共産主義の未来

〈もくじ〉
1 民主主義とは何か?
2 民主主義×ポピュリズム=バズればよし!
3 汚職撲滅キャンペーン
4 "正しさ"の果てに

1 民主主義とは何か?

「民主」とは主権が国民にあることを指します。
簡単に言えば、国家という大きなモノを運営するのに、誰か一人の意思で決めてしまうのではなく、大勢の意見をもとにして決めるということです。

大勢でものごとを決めるとき、無意識に前提となっていることがあります。

「教養を備えた市民が選挙で正しい選択をする」
(『上海フリータクシー』より抜粋)

これは中国に住む女性:アシュリーの言葉です。
彼女は共産党関係の家系の生まれです。
つまり、生まれたときから成功が約束されている、特権階級の出身です。

彼女は中国におけるエリート街道を突っ走ります。
アメリカに留学し、中国とは違う民主主義の世界に憧れを抱きます。
しかし、トランプ政権が発足し、彼女の理想は崩れ始めます。

彼女の言葉はこう続きます。

「人びとに権利を与える場合、愚かさに直面することも覚悟しておかなければなりません。だって、大半の人は無知ですから」

トランプ政権のアレコレ(オバマ政権が盗聴していたといういちゃもん、FBI長官の解任、パリ協定離脱…)を目の当たりにし、アシュリーは自分の考えを改めます。
自分は民主主義を過大評価していた、と。

「民衆は信頼できる、という点。それは嘘でした。みな生まれながらにして平等だとか、平等に扱うべきだという十八世紀の考え方は全部すてきで、とても思いやりを感じますが、現実からは乖離しています。明らかにみな生まれながらにして平等ではないし、物事に対して持つ意見もほとんどが社会的地位によって決まってしまう。みんな自分の運命を自分で決める力を持ってほしいとは思う、けれどもそれは常に正しいわけじゃない。しかしまた、みんなの運命を誰かが決めるというのも正しくない。とうわけで、わたしたちはいつだってジレンマのなかにいるのです」

民主主義は一歩間違えれば衆愚政治になってしまう。
そこに追い打ちをかけるように、世界はポピュリズム(人気取り)に舵を切っていきます。

2 民主主義×ポピュリズム=バズればよし!

「人が集まればなんだってできるわ
 商売も、宗教も、戦争もね。数は力よ」
(『黒執事』113話より)

数の力。
それが最も発揮されるのが選挙です。
アメリカでは、自分の陣営から大統領を出すか出さないかで人びとの人生や生活が一変してしまうそうです。

自分の陣営から大統領を出すとどうなるか?
一言で言うと「むちゃくちゃ儲かる」のです。

人が集まるところに商売が生まれるように、アメリカの大統領選挙では人気を集めるために選挙コンサルタントがさまざまな戦略を考えます。
全くのウソは公職選挙法違反になってしまいますが、多少の脚色は誤差の範囲なのでしょう。
魅力的なキャッチフレーズ、同情をさそうバックグラウンド、栄光へと向かうストーリー。
候補者はハリウッド映画の主人公のように、あらゆる伏線を仕掛けて国民的スターに仕立て上げられます。


選挙の世界もそうですが、日常生活でもこういうところってありますよね。


「ウソかホントかなんてどうでもいい。
 とりあえずバズりゃいいんだよ!!」ってところ。

SNSの台頭と関係があると思うのですが、なんでもいいからとにかく人の視線をあつめる。
それがお金に直結するんですよね。

これは私の個人的な体感なのですが、インターネットのステマサイト、めっちゃ多くないですか?
私の好きジャンルの一つ、万年筆では特にそう感じます。

私はペリカンのスーべーレーンを購入する際、かなりネットで検索をかけたんですね。
ペリカン」「スーべーレーン」で検索すると、上位に出るのは「おすすめ万年筆5選!」とかのアフィリエイト付きのステマサイトか、文具屋さんの商品紹介ブログです。

個人が書いた記事ってなかなか出ないんですよね。
2,3ページさかのぼっただけではまったく出てきません。

ただの商品紹介記事しか出てこない。
これの何が問題かというと、ネガティブ情報がまったく出てこないということです。

ペリカンのスーべーレーンは世界一売れている万年筆といっても過言ではない。
つまり、ユーザー数がダントツに多い。
なら、ネガティブ情報も数多く上がっているはず。

……つまり、スーべーレーンのM字幅は書きにくいからやめとけっていう情報が多く上がってなければおかしい! ということです。


(え、まだ根に持ってんの?? という感じですが、統計的には私と同じ失敗をした人が多くいるはずなんですよ。
 その人たちの情報がまったく見えてこないくらい、ステマサイトやらなんやらが多いってことなんです)

話をまとめると、


アフィリエイトなど、人びとの視線を集めることがお金につながるため、
 上澄みだけをさらっただけの情報ペラペラのサイトがくらげのように
 ネットの海を覆い尽くしている」

情報の質なんてどうでもいいから、とりあえずウケそうな記事作ってネットに投げとけ! みたいな。
…なんというか、


「自由だったはずのインターネットが自由なものではなくなった」


という感じがします。
視線泥棒のハイエナのたまり場って感じ。

そして、私がステマサイトの情報を鵜呑みにしてしまったように、多くの人は情報の吟味などしないのです。
民主主義の暗黙の前提である、


「教養を備えた市民が選挙で正しい選択をする」


という考え方。

それは幻想なのです。
しっかりと情報を吟味し、その情報が妥当かどうかあらゆる方面から確かめる人もいるでしょう。
しかし、多くの人びとはそうではありません。
過激な言動に扇動され、簡単に流され、作られた虚像に熱中してしまうのです。


民主主義は国民一人一人の意見を取り入れた公平な政治制度である。
と同時に、


「デカい声を上げて愚民の視線をかき集めたほうが勝つ、品のないイス取りゲーム」


でもあるのです。

 

 


なお、第二章はほとんどこの本からの受け売りです。

 

 

ちなみに、こちらもさっきの本と同様、石田衣良さんの推薦本です。

3 汚職撲滅キャンペーン

「民主主義はポピュリズムというただの人気取り合戦に堕ちた。
 その果てがトランプ政権やブレグジットなら……
  
  民主主義なんて、いらない」

民主主義は全ての人があこがれるほど良いものではなかった。
なら、共産主義はどうなのか? 
中国の人たちは一党独裁を良しとしているのか?

ここでキーになるのが習近平です。

衆愚政治とカリスマ独裁者、どっちがいい?ー

習近平(しゅう・きんぺい)
1953年生まれの67歳(2021年5月現在)

第五代 最高指導者(2012年~)
第五代 中国共産党中央委員会総書記(2012年~)
第七代 国家主席 (2013年~)
    ・
    ・
    ・
他にも様々な役職があるのだが、一言で言うと2012年頃から中国のトップに立った人、である。

習近平の功績は主に三つ。

1 腐敗撲滅キャンペーン
2 貧困緩和
3 一帯一路

1 腐敗撲滅キャンペーン

2013年1月より、「虎もハエも同時に叩く」をスローガンにすえ、役人の汚職摘発を強化した。
中国の官僚は汚職が多い。
宦官の時代から中国と汚職は切っても切れない。
もはや名物だ。
一応、習近平登場以前にも腐敗撲滅運動は行われてきた。

1950年代初頭の「三反五反運動」を筆頭に、1980年ごろにも腐敗撲滅の運動が行われている。
しかし、習近平が行う腐敗撲滅運動はかつての比ではない。
2013年から習近平主導で行われている「反腐敗運動」では、毎年3万件以上の汚職が摘発されている。
1980年の汚職摘発は7,000件ほどしかない。
実に4倍以上だ。

また、省部級(大臣クラス)の汚職にも目を光らせている。
2008年度の省部級の汚職による逮捕者はわずか8人だったのに対し、2014年では28人、2015年には41人にも増えた。

まさに「虎(大臣クラス)もハエ(下級役人)も同時に叩く」のスローガン通り、汚職撲滅を有言実行しているのだ。

(参考:コトバンク「反腐敗運動」

https://kotobank.jp/word/%E5%8F%8D%E8%85%90%E6%95%97%E9%81%8B%E5%8B%95-1738038より)

2 貧困緩和

1985年頃に鄧小平がとなえた「先富論」(先に豊かになれる者たちを富ませ、落伍した者たちを助けること)から始まった中国の貧困対策。
めざましい経済発展の中、富裕層・中間層は増加したが、2012年時点ではまだ1億人弱の人びとが貧困状態にあった。

小康社会(豊かな社会のための数値目標)。
2017年に発案された「三大堅塁攻略戦」(重大・金融リスク防止、貧困脱却、環境汚染防止)。
などなど、地道に貧困対策を進めます。

(……ちょっとこのへんは調査不足です。すみません。
 参考になる書籍などを発見したら紹介します)

2021年2月25日、習近平は三大堅塁攻略戦の、貧困脱却に全面的な勝利を収めたと宣言します。
貧困状態(年間純収入2,300元以下)の人口はゼロになった、というものです。

こちらもほぼこのサイトの情報です。
(JETRO  日本貿易振興機構ジェトロ「習国家主席、貧困脱却の達成を宣言」

https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/03/526e6c97723d2df3.htmlより)」


3 一帯一路(いったいいちろ)

一帯一路とは、2013年に習近平が打ち出した巨大経済圏構想です。
簡単に言うと、シルクロードの現代版です。

中国とヨーロッパを陸路(鉄道)と海路でつなぎ、物流をスムーズにすることで貿易による経済発展をうながすものです。
陸路は中国からカザフスタン、ロシアを通って西へ西へと進み、ベラルーシポーランドにつながります。
ポーランドからはチェコへも分岐します。
西へはドイツ、フランスとすすみ、最終的にはスペインに到達します。
なお、日本からヨーロッパへの輸出入もこのルートを使うことがあるそうです。

陸路のいいところはずばり、速さです。
日本からヨーロッパへと船便で荷物を運ぶと、1ヶ月ほどかかります。
しかし、この陸路(鉄道)を使えば2週間くらいで済むのです。
一応、途中で税関もありますが、ほぼノーパスでいけちゃいます。
(なんだかEU内での貿易みたいですね)

この鉄道(中欧班列)は一日一本以上が運行しています。
ヨーロッパと中央アジアの15カ国、およそ50都市を結んでいます。
中国からは車や電子機器、衣類など。
ヨーロッパからはワインやチーズ、肉類が運び込まれています。

さらに、この一帯一路には原油天然ガスを運ぶパイプラインも併設されています。
万が一、中東でなにかが起こって海上封鎖されたとしても、これがあれば一安心です。
ミャンマーなど、石油原産国の近場の港で引き上げて、そこからパイプラインに流せばいいからです。

前回、中国がつけてきた基礎体力、経済について話しました。
経済とはモノとカネの流れです。
中国の生産性が上がり、電子機器などが安価に大量に作れるようになりました。
国内では消費しきれないモノたちをこの現代版シルクロードをつかって流すことで、中国はますますカネを手に入れる、というわけです。

他にも、この一帯一路路線をつかって5Gなどのネット通信網を整備したり、付随する港を整備したり(そして、貸し倒れにさせて港の使用権をゲットしたり…)と、経済発展以外にも応用しています。


こちらもほぼ、このサイトを参考にさせていただきました。

NHK大学生とつくる就活応援ニュースゼミ 目指せ!時事マスター
 1からわかる!中国「一帯一路」それってなに?

https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji22/より)

ー・ー・ー・ー

「あれ? 習近平、けっこう優秀なんじゃない……?」

って思った人。
そうなんですよ。

習近平は公約の大半を履行し、最初の数年で経済を安定化させ、格差解消のために確実な一歩を進めているんです。
特に反腐敗運動は中国の人びとが待ち望んでいたことでもありました。


2018年2月、中国共産党中央委員会憲法から「国家主席の任期は2期10年まで」とする  条文を削除しました。
つまり、任期制限の撤廃です。
習近平は任期が切れる予定だった2023年以降も国家主席としてトップにいられるのです。

政治に関する自由な発言がほぼできない中国ではありますが、このことに関しても、


「……習主席は優秀な人だから……」


と容認する意見も多くあります。


まあ、政治家として優秀なことと良心があることは別なので、それがどうなるか、ですね。
彼の政治手腕はあくまで大衆操作のため、国民にプラスに見せるためのパフォーマンスかもしれません。


4 "正しさ"の果てに

「呉の地方のある金持ちが宴会で岳飛の芝居を演じさせたとき、客の一人が興奮してわれを忘れ、秦檜(はんかい)役の俳優を殴った。打ち所が悪くて、俳優は死んだ。官憲の量刑にあたっては、悪を憎むあまりの犯行、という情状が酌量されたという」
(「貝と羊の中国人」加藤徹 新潮新書より)

 

 

正しさとはなにか?
正しいとはなにか?

「正義の反対は、また別の正義である」

元ネタは「パワプロクンポケット7」に出てくる黒野博士のセリフらしいですね。
私もこの考えに全面的に同意します。
何が悪で、何が正しいのか。
それは見る角度や立場によって変わってくる。
絶対の正義など存在しない。

でも、中国は違います。


中国国民にとって、絶対の正義は共産党です。


彼らにたてつくような発言をすれば、国内にいくつもある収容所に送られます。
運が良ければ五体満足で出られ、運が悪ければ死体になって出られます。

絶対的な正義を設定してしまえば、それに反するものは全て悪になる。
ニーチェは「道徳は力だ」と言いましたが、正義もまた力なのです。
人は善や正しさやに従うのではありません。
力にひざまずくのです。

「日本の歌舞伎では、最初悪玉として登場した人物が実は善玉だったり、あるいはその逆だったりと、登場人物の善悪が途中で変わることが多い。日本の民衆は、芝居でも人間の多面性を楽しみたがる。
 いっぽう、中国の芝居や映画では、善玉は徹底して善玉で、悪玉は徹底して悪玉である。途中で善悪が入れ替わることは、ありえない」
(同書より)

善と悪、正義と悪があらかじめ規定されている。
つまり、彼らは考える必要が無いのです。
自分で考えて、判断する必要が無い。
思考が深まることもない。


さて、みなさんはアイヒマンテスト(ミルグラム服従実験)を知っていますか?
実験の動機は

ナチスが非人道的な行為をおこなえたのはドイツ人が野蛮だからだ!
 われわれアメリカ人なら人道的に立派な行動をとるだろう」

というものでした。
実験方法はこうです。

①3人一組(教師役・被験者・生徒役)
②教師役は生徒役に問題を出す
③生徒役が問題を間違えた場合、被験者はボタンを押し、罰として電気ショックを与える

ね、カンタンでしょう?
ちなみに、罰として生徒役に与えられる電気ショックのボタンは被験者が操作します。
ボタンは15ボルトからはじまり、75、135……、255、315……と、最大450ボルトまでのボタンが用意されています。

15ボルトは軽い衝撃ですが、135は強い衝撃、315ははなはだしく激しい衝撃、それ以上は危険領域です。
でも大丈夫! この実験でもし何かあっても、全ての責任は指示を出す教師役にあります。
仮に●んじゃっても、電気ショックを流したあなたに責任はありません。
目の前では電気ショックを受けてうめき声をあげる生徒役がいます。


でも、仕方ないですよね。
彼は出された問題を間違えてしまったのですから。

 

あなたは目の前で痛がる生徒役に同情するかもしれません。
電気ショックを流すボタンを押すのをためらうかもしれません。
でも、ここで教師役はこういいます。

「迷うことはありません、あなたは続けるべきです」

すべての責任は教師役にあります。
あなたは教師役の指示にしたがっているだけ、正しいことをしているだけです。
正義はあなたにあります。
さあ!


……実験では40人中40人が300ボルト以上(危険領域)の電気ショックを与え、3,4割の被験者が最大電圧(450ボルト)までのボタンを押しました。

この実験が示すことは、

「人は権威(正しさ)にしたがうとき、どこまでも残酷になれる」

ということです。
芸能人の不倫叩きだとか誹謗中傷だとかもこれにあたります。
人は正義をふりかざすとき、他者に対して残酷なれるのです。

中野信子さんのいう「シャーデンフロイデ:他人の不幸を喜ぶ気持ち」もからんでくるでしょう)

(実験参考:ウィキペディア

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%AE%9F%E9%A8%93より)


さて、話をもとにもどします。
共産党という"絶対正義"。
「人は正義を振りかざすとき、最も残酷になれる」という心理的特性。
この二つが合わさったとき、どんなことが起きるでしょうか?

考えられることは一つ。


誰かが"悪"の立場に立ったとき、それを止めるすべがない。


つまり、スケープゴートは徹底的に叩きのめされる。

同時に、自分自身を守るため、多くの人は正義の側にすり寄るでしょう。
自分が標的にならないよう、正義の側をあがめ奉り、悪の者たちをおとしめるでしょう。

これらが問題となって表に出てくるのは、おそらく遙か先でしょう。
中国が国際社会で他の国々と同等のふるまいを求められるとき、協調をもとめられるとき、じわじわと染み出してくるのではないか、と思います。

『貝と羊の中国人』では、こうも書いてあります。

「中国の民衆は、仰ぎ見るヒーローを渇望すると同時に、徹底的に罵詈雑言を浴びせて憎める悪役を必要とした。このような精神構造は、今も残っている」

まとめ

さて、今回は

「2 民主主義の限界と共産主義の未来」

について書いてきました。
……いやあ、大変だった…。
一言でまとめると、

「民主主義=いいもの、共産主義(独裁主義)=悪いもの」
 っていう考え方は危険だよ!

ということです。
Yes or Noはもう古い。自分で考えるんだよ! というところですね。

まー、個人的にはGAFAが資本で力を持ちすぎた結果、それに投資家が便乗しまくって、公平なレースをおこなうのが不可能になってしまった。
んで、対抗馬として中国の二大企業がGAFAと同じやり方で追いつけ追い越せでやってきた。

そんな中、アメリカの政治は人気取り合戦が白熱していく。
人びとは簡単に扇動され、付和雷同する。

それを横目に、中国では習近平が八面六臂の大活躍!
経済も貧困緩和も、あれよという間に発展・解決しちゃった!
任期制限の撤廃とか、あやしい部分もあるけれど、まあ習主席はデキるやつだからまあいいか!

しかし、安心はできません。
もし、国家主席が暴走した場合、中国にはそれを止めるセーフティネットがありません。

最後にひとつだけ。

中国とアメリカ、それぞれの柱がなにか、です。

中国は共産党、そしてトップである国家主席が国の柱です。
ここが折れたり、曲がったりすれば一環の終わりです。

アメリカの柱は合衆国憲法です。


大統領が多少アレな発言やアレな行動をしても、せいぜい合衆国憲法の範囲内でのことです。
憲法の範囲を侵害することはできません。
合衆国憲法アメリカ人の自由と権利を守るからです。


…最後までヘヴィな話になっちゃいましたね。
次回はもう少し、明るい話になる予定です。


次回、「3 ネット社会と私たちの未来」です。

参考書籍はこんな感じです。


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中国本土を少し離れ、台湾の視点も借りようと考えています。

まじめなこと考えすぎて頭がショートしたので、てきとーにだらだら書くよ日記。

今抱えている小論がヘヴィすぎて、布団の上を転げ回りたい定期。
書きたいことはいっぱいあるんだけど、時間が……いやウソです。ツイッター見過ぎなだけです。

(ここからはオタク度400%オーバーなので、閲覧注意です)

書きたいこと一覧

・絵を描くことについて

 アナログでちょこちょこ描き中。
 最近は模写にはまっています。
 かわいい女の子をこれでもか! とガン見しながら推しに変換しています。
 唇と鼻をセクシーに描きたい。
 そしてお目めをこう……吸い込まれる感じに描きたい。
 ブラックホールにしたい。

・ロシャ界隈、スペースなるものが流行っている件。

 人の意見を聞くのは好きなんだけど……たぶん、最後まで聞かないだろうなあと思ってリスナーにはなっていません。
 YouTubeも常に1.25倍速で聞いてる派なので、情報はまとめて欲しい派です。
 いわゆる、「文書でくれ」タイプ。
 のんびり人の話を聞くのは職場でやっているので、プライベートではできるだけ簡潔にまとめて欲しいと思っちゃうのです。
 あと、リスナー欄に入る勇気がない(←こっちのが主動機)

・『ナタ転生』見てきたよ

 一言でいうとおもしろかったです。
 私のなかの5歳児が「うおおおおお! カッケええええ!!」って始終さけんでた。

 中国の作品は全て許可制(脚本を政府に提出して、LBGTやエロや反政府要素がないかチェックされる)ですが、彼らはファンタジーという手法でそこから自由になったのかな、と。

 「これはナタが出るんですよ? つまり、現実ではないんですよ!」

 それを免罪符として格差を描く方法を手に入れたのかな。
 強大な資本と権力をもつトップと、彼らに服従するしかない庶民の描き方がすごく良かった。伝わってきた。

 大喬小喬以外で鉄扇使ってる人初めて見た。そうか、ああやって戦うのか。

 3DCG系の作品はほぼ見ないので、最初のバイクレースシーンが慣れなくて、ちょっと見にくかった。
 (んん? 私の視力の問題か!?)
 って思ったけど、気づいた。
 3DCG、背景とキャラの親和性が高すぎる。


 ナタの描き方について。


 フジリュー先生の封神演義でしか知らなかったのですが、なかなかおもしろいですね、この子。
 三太子(東海竜王の息子)の脊髄をぶっこ抜いて殺した……こいつ、結構エグいことしてんな!

 自由奔放で、巨大な力と武器(宝貝:パオペエ)をもっていて、親(儒教における絶対服従の対象)に反抗する。

 こう見ると、ナタの人気の秘密が見えてきますね。
 ナタは中国の民衆にとって代行者(やりたくてもできないことを代わりにやってくれる存在)なのかもしれません。

 ラストの転生シーンもめっちゃかっこよかったです。
 ちなみに、『転生』を簡体字で書くと『"重生"』なんですね。
 まったく変わってしまうのではなく、人生を重ねていく。
 (だからといって死を軽視しているわけでもない)

 ……もしかして、ロシャオの例のシーン。
 監督は"転生"として描いているのではないでしょうか…。

 なんというか、「監督はあのシーンをポジティブなものとして描いている」
 フーシーファンの一人として、それだけでちょっと救われました。
 まあ、まだ袖は濡れていますけどね。
 (都市部の映画館も営業再開したし、またさくらいさんフーシーに会いたい)

 二部も絶対日本公開して欲しい。
 あの犬、実はパオペエなんでしょ! 知ってるんだからね!!(オタクの叫び)

 …実はテークとスコーレを間違えて泣いた。よかった、間違えたのが土曜日で。
 日曜日だったら詰んでた。

・最近はまっているモチーフ「フーシー♀のスカートをめくるシューファイ♀」

 …うん。何を言っているのか分からないな。

 最近こちらの書籍を手に入れました。

f:id:ZenCarpeDiem:20210529235539j:image
 当事者(高校生)だった当時からこの書籍のことは存じていました。
 (風景の写真集コーナーに入り浸っていて、その隣で特集されてた)

 当時は、


 「ぱんつも胸も見えないのに、この本の何がいいんだろう?」


 と、思っていました。

 ……今ならわかります。この本はヤバいと。
 少女の無垢さ、他人のプライベートゾーンにためらいなく入ってしまう危うさ。
 じゃれあいという、目的をもたないスキンシップがかもし出す不安定な雰囲気。

 いや、やばいっすね。
 (本当にやばいのは私ですね。うん、知ってた)


 テーマに話を戻すと、


 「あれ? フーシーとシューファイって百合じゃない??」という。

 普段は「うーふぉん畑でつかまえて派」なのですが、シューファイは別腹です。

 (ムゲン・コールフィールドはあれでしょう?
 「そっちは崖だよ、危ないよ!」って腕をのばしたんだけれど、少年フーシーはためらいなくその向こうへと走っていったんでしょう?
  崖の先から落ちる直前、一瞬だけこちらを振り返ったフーシーのことが忘れられないんでしょう?
  青空の向こうへと消えていったフーシーの最後の笑みについて、考え続けているのでしょう?)

 こほん。
 もう一度話を元に戻すと、「フーシーとシューファイは百合じゃないか?」という。

 BLの割合的には风虚>虚风のが多そうですね。
 えー、ここからは百合初心者のたわごとなので、(゚Д゚)ハァ?って思われる方もいらっしゃるかと思います。

 では、私の意見です。


 ……フーシー♀とシューファイ♀、どっちが右とか左とかどうでもよくない?


 この二人に関しては、

 「受け攻めのない百合」

 が、しっくりくるのではないかと。
 (もちろん、これは一つの意見であって、固定カプ派を否定するものではありません)

 ちょっと思ったのですが、

 「受け攻めが固定されていないBL」

 は世の中にほぼないと思うのですが、

 「受け攻めの固定されていない百合」

 はいっぱいある気がするんですよね。


 つまり、「百合においては固定カプと非固定カプが同時に存在する」と。

 んー。身体的アイコンの違いによるのかな、と思いますが、おもしろいなあと。


 モチーフ「フーシー♀のスカートをめくるシューファイ♀」なのですが、個人的にこのふたりの関係性をよく表しているなあと。
 ちょっと自画自賛

 同質であるがゆえに一番近くにいられるのだけれど、だからこそ決して触れられない部分がある。

 私が一番はまっているのはフーシーなのですが、深層心理の一番奥にぶっささっているのはシューファイなんですよね。
 二次創作でも真っ先に「書きたい!」と思ったのはシューファイでしたし。


 ……じつはもうひとつだけロシャの二次創作を書こうと思っています。
 前作、前々作とフーシーが一切しゃべらないので、フーシーにもしゃべってほしいなーと。

 これだけ二次創作をしたいと思えるロシャの空白に感服します。
 文ストのときは一作で満足したというか、自分の中のやつがれ像をしっかりと定めることができたんですよね。
 (…なので、あの小説を書いて以来文ストの同人作品はほぼ読んでいません)

 書くことって不思議ですよね。


 さて、あほなこといっぱい書いて満足したので、明日あたりでマジメ小論をやっつけたいと思います。

おやすみなさい。