今日を摘む

ハガキでは間に合わないときの手紙ばこ。

劇場版 幼女戦記

気づいたら前回の記事から4ヶ月も経過しているとか…。
しかも台湾旅行記が完結する前に次の台湾旅行に行ってきちゃいました。


これから台湾へ旅行する方に一言。

 


「タクシーはお店の人に呼んでもらおう!!」

 


とくに南部や地方に行く方は鉄則と言っても過言ではないです!
流しのタクシー、マジで捕まんない。
しかもやっと空車を捕まえたと思ったら、隣の人が呼んだやつだったとか。


ちょ、それ空車じゃないじゃん!予約車じゃん!!

 


というわけで、タイムイズマネーの海外旅行で遊び倒すためにも、飲食店だろうが雑貨店だろうがお茶屋さんだろうが、「請幇計道車」は必須です。


ちなみに、店員さんにタクシーを呼んでもらうと、6ケタ程の数字を教えられます。
これが配車ナンバーです。
タクシーの肩(ご想像下さい)に同じナンバーが書いてあります。


ナンバープレートの数字とは違うのでご注意を。

 

 


では、前置きが長くなりました。
今回のテーマは幼女戦記もとい「理性と感情」といったところでしょうか。


現在公開されている劇場版の幼女戦記を鑑賞して参りました。
アニメは未履修だったのですが、電子書籍屋で無料公開されている漫画の第一話だけ読んでめちゃくちゃ興味をそそられまして。

 


幼女の中身がエリートサラリーマンでおっさんとか、一体どこの層を狙っているのでしょう?
その上「戦争は人的資源の盛大な無駄遣い」とか。
この概念、面白い。

 


だいたい戦争なんて「侵略者から家族を守るんだ!!」というヒロイックで悲壮な覚悟のもと、否応なくやむを得ず始まるものだと思っていたので、そんなふうに考えること自体が新鮮でした。
国民感情の発露である戦争を、冷静に物量価値で量る。

 


つまり、自分の中に「感情>モノ・カネ」という図式が染みついているということに気づかされたわけです。


人は自分の感情を精算するためにモノやカネを消費する。
人間の人格が最優先で、モノやカネはそのために使われて当然だと私たちは知らず知らずのうちに思っているわけです。

 


生き物だけがもつ「感情」を免罪符に、我々は好き勝手な振る舞いをしている。
そう考えると、理性と感情、より恐ろしいのはどちらなのか。

 

 


作中において、レルゲン中佐は理性的(すぎて時に非情になる)ターニャを「幼女の皮を被ったバケモノ」と称します。
一方、「町の人たちを敵から守らねば!」と奮起する可憐な少女が、敵の実体(父を殺した張本人だった)という事実を知るにつれ、恨み憎しみに心を呑まれ鬼の形相へと変貌して行きます。

 


(ちなみに、映画ではこの激情少女と冷徹冷静なターニャの対比がめっちゃよいです…!!)

 

 

 


よくよく考えると、本作品に出てくる「神への祈り」という行為。
これも改めて考えると非理性的な無茶ぶりなんですよね。
要は等価交換を超越したいから祈りを捧げる。

 


「100円お賽銭するので100万円ちょーだい!」

 


みたいな。
私が神だったらキレますね。
「えびで鯛釣ろうとしてないで貯金しろ! 3年くらい!!」


まあ、天は自ら助くるものを助くというので、本物の神さまがどう思ってらっしゃるのかは存じませんが。

 

 


この映画には「軍人を名乗るなら、まず命令を守れ」という台詞が出てきます。
私が一番好きな台詞です。


国家の暴力装置として軍事力を行使し、死体の山を作り上げる軍人という存在。


そんな彼らはまず命令を遵守できるだけの理性がなくてはならない。
感情のまま散弾をまき散らすのではなく、敵を見据え敵の顔を見つめ、狙いを定めて引き金を引かねばならない。
暴力とは、あくまで理性的に振るわれるものなのだ。

 


ん、ではその辺で行われている暴行のたぐいは何なのか?
理性によって計画的に振るわれない暴力など、ちょっと迷惑度の高い駄々でしかないのでしょう。


迷惑度が一定を超えたら、国家の暴力装置にコールすることをおすすめします。

 

 

 


さて、理性と感情。そして暴力。
本来ならば感情的でわがままで自由気ままな存在であるべき幼女が、鉄壁の理論武装で戦場をぶち抜いていくという矛盾にこそ、この作品の魅力があるのでしょう。

 


小難しいこといっぱい書きましたが、戦闘シーンはちゃめちゃにかっこいいし、玄田さんや芳忠さんや三木眞といった脂ののったイケおじボイスがこれでもかとでてくるし(三木眞をイケおじに入れるかどうかでまた一つ論争が起きそうですが)、アニメ作品では軽視されがちなサブ位置のおっさん(ヴァイス中尉とか)の作画もいいし、『劇場版 幼女戦記』おすすめです!

 

 


最終的に私の好みがダダ漏れした感じになりましたね!