今日を摘む

ハガキでは間に合わないときの手紙ばこ。

同棲、解消しました。 その5

 

たった一時間の残業が精神をむしばみ、
うつの症状は身体にも影響を与え、
掃除されない部屋は日に日に汚さを増し、
相方は酒量を増やすことで問題から目をそらそうとし、
私は非日常を詰め込むことで無理矢理ハイな気分を作り出した。

 


非日常から現実へと帰る新東名高速道路の車中。
好きな音楽だけが流れる孤独の中で、私はもう一度立ち上がる力を得ます。


それと同時に、私が本当に欲しいものは何かが見えてきました。

 


同棲、解消。


9月、同棲を解消し、一人暮らしをするために動き始めました。


まず家。
なのですが、実は私、もともとアパートを借りていました。
同棲しながら8年間ずーっと自分ちの家賃を払い続けていたのです。
……つまり、心のどこかで予防線を張っていたわけです。
「この人とずっと一緒に生きるビジョンが見えない」と思いながら同棲をしていたわけです。


8年間の家賃を思うともったいない気がしますが、すべてはこのときのためだった、のかもしれません。
第一に敷金と礼金がいらないのは助かりました。
(なんてったって50万円溶かしたからね!!)


他にも自分用のPCと洗濯機、備え付けのエアコンなどもありました。

 

 


今回、同棲の解消に至ったのは双方納得の上。
しかし私の金銭体力は限りなく赤に近いイエロー。
ということで、生活用品はかなり援助してもらいました。

 


まず、冷蔵庫とドライヤー、布団セットを買ってもらいました。
冷蔵庫は150リットルの冷蔵・冷凍機能付きのもの。
35,000円くらい。
ドライヤーは3,000円くらいのもの。
布団はニトリセミダブルのセットを買ってもらいました。
(風水では広い布団で寝ると出世運がアップするの! とごねてセミダブルにしてもらった)

 


そして電子レンジとトースター。
この二つは相方がもともと使っていたものを私がもらいうけることにしました。
他にもキャスター付きの衣装ケースと壁掛け時計をもらいました。

 


最低生活用品を準備した後は、引っ越し業者を決めます。
まず、私が探したのは便利屋さんです。


今回移動させるものは
 ・机
 ・椅子
 ・電子レンジ
 ・トースター
 ・トースターを置くシェルフ  
    以上、5点のみ


(衣装ケースや服、本、小物類はあらかじめ車で持って行きました)
そのため、普通の引っ越し屋より安く済むかな、と思ったのです。


ところがどっこい。
私のアパートの形態、メゾネットはちょっと事情が違うらしい。
有名どころから地域密着型のお店まで4軒ほど電話で問い合わせたのですが、メゾネット形式のものは別料金になるらしく、最低でも3万5千~4万円以上はかかるとのこと。
ぶっちゃけ、高い。
同じ区内での引っ越しだし、できれば2万以内で収めたい。

 


餅は餅屋ってことかと認識を改め、引っ越しサイトに登録しました。
以前も利用したことがあるので分かっていたのですが、引っ越しサイトに登録すると次の日からじゃんじゃか電話がかかってきます。


引っ越しと言っても、今回は一部の大型家具しか移動させないため、「同棲解消」を先に伝えておくことにしました。
その方が「移動品が少ない」「できるだけ安く」という意図がスムーズに伝わるかなと思い、積極的に「同棲解消」を開示していきました。
10軒ほど引っ越し会社からの連絡を受け、第一希望である「2万円以内」が叶う会社に決めました。

 


1ヶ月後と引っ越しの日程も決まったところで、ほぼ倉庫状態だった自宅の掃除を始めました。
というか、8年前に越してきたときの荷ほどきからスタートしました。
この家にあるものは8年前に前の家から持ってきて、ほぼ放置しているものたちばかりです。


つまり、9割方いりません。
8年前の自分が持ってきたようわからんノートやらグッズやら服やらを捨てまくる作業から始めました。

 


45Lの燃えるゴミ袋を20個分くらい出し、床が空いたらぞうきんをかけます。
引き出しの奥にあったまだ使えそうなタオル類も一度洗濯します。
本棚の本もざっと検品して、もういいかな、というものは捨てます。


新居(新しくはないけど)の準備ができたら、今済んでいる同棲部屋の荷物整理です。
服、小物を減らした後は最大の山、本の整理を始めます。
実は相方の家がけっこう広かったので、私の本棚がパンクしたあと、空いたスペースを見つけてはここぞとばかりに私の本をつっこんでいたのです。
そんな私を見かねて、寝室に本棚を買ってくれたりもしました。
しかし、その本棚を新居に持って行くことはできません。

 


ざっと本棚一台分以上、本を捨てなければならない……!
ちなみに私は自分の本には折り目をつけまくるタイプなので、古本屋さんに売ることはできません。
ん? 大量の本ってどうやって捨てればいいんだ?

 


ネットで調べたら、リサイクルコーナーなるものがスーパーの駐車場などにあるそうなので、それを活用することにしました。
いる、いらないをジャッジし、いくつかたまったらサイズ別にわけ、捨てるものはビニールひもで縛ります。

 


もちろん一日で終わるはずもなく、なんだかんだ2週間くらい本と格闘しました。
何かを決めるって、本当に脳みそを使うんですよね。
身体はたいして動いていないのに、本の整理をした日はいつもくたくたでした。

 


いらない本は10冊ほどでまとめて縛り、とりあえず車のトランクに積んでいきました。
そのうちトランクも満杯になり、後部座席に積み重ねていきました。
ざっと200冊くらいでしょうか。
私のために買ってもらった本棚はほぼすっからかんになりました。

 


新居に持って行く本はそれでも80冊ほどありました。
それらは段ボール(8年前の引っ越しの残骸)に一端入れ、車で新居へと持って行きました。二週間かけ、車で今の家と新居を往復すること延べ30回ほど。
服と小物と本しかないし、楽勝でしょーって思ったけどめちゃくちゃ大変でした。
でもやりきった。

 

 


引っ越し当日は相方も休みを取り、軽トラを借りてきて「いらない粗大ゴミ一掃デー」になりました。
物置になっている一人用のソファー、私が急に思い立って買ったキーボード、引き出しの閉まらないハンガーラック、色が変わってきたカーペットなどなど。
一人では持って行けないものたちをどんどこ軽トラに乗せていきます。
最後の共同作業ってやつだね。

 


軽トラに荷物を積み終わって部屋もすっきりしてきた頃、引っ越し屋さんが到着しました。
5点の荷物はささっと梱包され、あっというまに部屋から持ち出されていきました。
このとき、机がちょっと大きくて、新居の階段を上れないかも……と心配していたのですが、しっかり分解して運んでくれました。
ニトリの組み立て品だし接着剤とか使ってるし分解できるのかな……って思ったけど、プロの手にかかれば一瞬でした。

 


引っ越し屋さんが出発した後、私も相方と共に軽トラで出発します。
途中で私だけ新居に降ろしてもらい、相方は粗大ゴミの廃棄センターへと向かいます。
新居への搬入作業は10分ほどで終了。
片付けをしつつ相方の帰りを待ち、最後の晩餐に引っ越しラーメンを食べに行きました。
そのあとは、別々の生活が始まります。