フーシー限界にっき。小ネタへん。
日本でのロシャオ興行5.6億円突破、おめでとうございます!
このままずっとロングランしててほしい!
もう何回も見てるけど、フーシーを見るたびに「顔がいい…」って心の中でつぶやいちゃいますね。
特に離島バトル。
一番好きな離島のカットは、フーシーが木を生やしたあとに右手をぐっと引くシーンです。
(気合い入れみたいなポーズのところ)
もう全カットポストカードにしてほしい。
そして売ってほしい。壁に貼るから。
(ストーカーの部屋みたくなりそうやな)
ムゲンはフーシーを理解していない
しかし、フーシーはムゲンを理解している
いろんな方から出ているこの意見。
私もあるシーンを見て、確かに…、と理解を深めました。
私が特にそう感じたのはラストシーンです。
※普通にネタばれあります。まだの人は劇場へ!
「もうここから離れたくない」のセリフの後、ムゲンが目を丸くする。
そして、シャオヘイと一緒に後方へと退避する。
…この時のムゲンさま、「…ちっ」みたいな、すごく悔しそうな顔されてません?
おそらく、ムゲン一人だったらフーシーの行動を止めることができたはず。
それにフーシーだけが気づいていた。
「妖精は人間と共存するしかない。じっくり考えるといい」のセリフのところで、フーシーがふっとこぼす笑み。
私はあれを自嘲の笑みだと思っていたのですが…。
もしかしてこれ、ムゲンに向けた笑みだったのかもしれない。
ムゲンは「もう勝負はついた」と思っているし、何かあっても絶対に勝てると思っている。
危険だなんて一ミリも思わない。
だから、シャオヘイを連れてフーシーのそばに来る。
そんな彼らの無防備さ対して、フーシーは笑ったのではないだろうか。
「ばかだな」「つめが甘いな」
あの口元だけの笑みには、そんな意味が込められていたのかもしれない。
領界内では無二のパートナーとして、抜群の活躍をしたシャオヘイ。
しかし、あの瞬間だけムゲンの枷となる。
(…裏を返せば、シャオヘイのおかげでフーシーは本懐をとげることができた、ともいえる)
フーシーの透徹したまなざしはどこからきたのだろうか
どうしてフーシーはムゲンの気持ちが分かるのだろう?
どうして人の心が分かるのだろう?
素体がクロヒョウだから、狩人として獲物を射る目だから?
フーシーが強奪で手に入れる能力も全て理にかなっている。
霊音、霊爆、画霊。
音は鉄では止められない。
爆発(炎)は五行図における火剋金。
(火は金を溶かす)
画霊は乗り物(飛ぶ能力の補完)。
切り札にもなったね。
さっすがフーシー! 頭脳派なのね、あったまいいー!
違う、そうじゃない。
そうじゃないんだよ。
本来、知恵をはたらかせることは人間の領分だ。
人間は弱いから自然をあがめ、工夫し、努力する。
フーシーは龍游で最強の妖精だった。(監督インタビューより)
たいていのことは力押しでなんとかなってきたはずだ。
そんな彼が知恵の力を借りる。
まるで人間のように。
なぜ、フーシーはムゲンの気持ちが分かるのか。
なぜ、人の心を理解しているのか。
それはつまり、フーシーがそれだけ人間と関わってきたということなのではないだろうか。
人間と暮らして、人間の心を知り尽くした。
だから、人間と妖精が相容れないことも、このままでは妖精が滅んでしまうことも知っている。
フーシーの「考えたよ」は、「それだけ人間のことを愛していたよ」っていうことなのではないだろうか。
フーシーの「考えたよ」は「愛していたよ」
人間を愛して、人間と一緒に過ごして、人間のことを知り尽くした。
だからフーシーはムゲンのことも分かる。分かってしまう。
彼の理解の浅さも、詰めの甘さも。
フーシーのすべてを見抜く透徹したまなざし。
そこには人間への深い深い愛情がある。
ー・ー・ー・ー
最後に。
ロシャオヘイセンキは中国本土の話や価値観もからんでくるのでおもしろいですよね。
ツイッターで小ネタが流れてくるたびに「へー! なるほど!」とイイネボタンを押してます。
なんでツイッターってイイネ一回しか押せないんですかね。
へぇボタンなら100回まで押せるのに。
(年齢バレますね)
ちなみに、中国では「住む」と「泊まる」を区別しないそうです。
「どこに住んでるの?」も「どこに泊まってるの?」も、どっちも
「你住哪児?(ニーヂューナル)」でOK。
中国人は流浪のノウハウを持ち、世界の様々な場所で暮らしている。
だからどの国にもチャイナタウンがあるし、華僑なんて言葉もある。
現代でも、海亀(ハイグイ)と呼ばれる留学生たちが世界各地で学んでいる。
そんな彼らに対して、私は「世界をまたにかけて生きるなんてかっこいいな-!」と思っていた。
彼らの中には「もし海外へ行かなくてすむのなら、ずっと故郷で暮らしたい」と思っている人だっているかもしれないのに。
ちなみに、このへんはほぼ全てこの本からの受け売りです。
中国人の価値観がコレだけでほぼ分かってしまう、とってもお得な一冊です。
(急にテレビショッピングが始まりましたね)
羅小黒戦記という作品は、あまりスポンサーを取っていそうです。
https://m.youtube.com/watch?v=KRcqfuvWfDQ
(ネタ元『山田玲司のヤングサンデー第177回』・ニコ動有料部分を含む)
金を出せば口も出す。
監督はそれを嫌ったのではないか、という。
中国の物語には王道があります。
勧善懲悪のテンプレート。
もしかしたら、監督はその王道から抜け出したかったのかもしれない。
このへんも『貝と羊の中国人』にヒントが載ってます!