今日を摘む

ハガキでは間に合わないときの手紙ばこ。

机の広さから考える教育

せんせいのなつやすみ。12日目。

 

昨今の情勢をかんがみ、当自治体も新人研修はZOOM会議をメインに行っております。

私もZoomでしゃべったりするので、研修は職員室ではなく、図書室などの特別教室を使います。
そこで思ったことを書こうと思います。

机の広さから考える教育


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図書室の机は6人がけの大テーブル。
研修中はそれを一人で使います。

Zoom用のタブレットPCにメモ用のルーズリーフ、筆箱。
左側には今日使う資料の束をばさあっと広げ、奥には新人研修の資料をまとめたファイルをででんと置きます。

それでもまだまだスペースはあまります。
休憩中にチラ見した本を二、三冊ディスプレイしても余裕です。
なんも考えずに資料をぽんぽん放っちゃってOK。

この、

「なんも考えずにぽんぽん置ける」

というのがめちゃくちゃ気持ちいいのです。


対して、教室の机はどうでしょうか?
ノートと教科書を同時に開いた場合、どこかを重ねないといけません。

授業の進度やノートのスピードに合わせて、常に配置を考えなければならない。


先生の話を聴きながら、

ノートを取りながら、

机の上の配置にも気を回さねばならない。

つまり、これらを要領よくこなせる生徒だけが授業についていけるのです。


これからの教育に必要なこと

机の広さから教育について考えると、面白いものが見えてきます。


大テーブルと教室の机。

現在メインで使われている教室の机は、

「要領の良さ」

を鍛えるのに向いている。
与えられたモノや情報を自分で取捨選択して整理する。
授業のスピードに乗り遅れないよう、テキパキと判断することが求められる。

対して、図書室などの大テーブル。
ぐるりと首をめぐらせないと端から端までは見渡せない。
そこに、おもちゃ箱をひっくり返すように情報を並べる。

ざっくばらんに並べた情報たち。
てんでばらばらの情報たちだけれど、じっと眺めていると何かが見えてくる。

共通点、相違点。
散らばった点と点をむすんではじめて、予想もしなかった星座が浮かんでくる。

おそらく、これからを生きていく上で重要なのはこの力でしょう。

とりあえずの判断をさけ、

多くの情報を並べて比較して検討して、

まったく予想外のところからヒントをつかみ取る。

 

問題は、教室のせまくて小さな机ではこの力を育てるのは難しい、というところです。
やっぱ、少人数教育(1人の先生で10人程度の生徒)しかないかなー。