今日を摘む

ハガキでは間に合わないときの手紙ばこ。

同棲、解消しました。 その1「きっかけは一時間」

八年ほど続いた同棲を解消し、一人暮らしにもだいぶ慣れてきました。
ちょうどいい機会だし、自分の気持ちを活字の形にしておくのもいいかなと思い、ポメラを立ち上げることにしました。

 


私と相方の共通点
・オタクである
・音楽の趣味が合う(GRANRODEO、アイナナ、うたプリなど)
・車の運転が好き(東京や大阪など、2,3時間のドライブが全然苦にならない)
・台湾が好き(リーズナブルな屋台飯も小籠包も)

 


だんだんズレが気になってきたところ
・部屋の綺麗レベル
・映画やアニメに対するストーリーへの入れ込み度

 


同棲してから6年、その間は多少の喧嘩やいさかいはあっても、それが決定打になることはなかった。
とどめを刺されたのは七年目、私が初めて常勤講師として働いた時でした。

 


一般的に教員という仕事はブラックだと言われます。
しかし、自分が実際に体験するまで、仕事の量や時間は自分の努力と工夫次第でどうにかなると思っていました。
やることをリストアップし、制限時間を決め、ゲーム感覚でぱぱっとこなすとこはこなす。
時間をかけるべきところ(生徒関係)だけ、しっかりと残業すればいい。
残業代出ないけど。

 


幸い、私の場合は土日の休みを確保できたので、一週間の疲れを持ち越すこともありませんでした。
初常勤であるぺーぺーの私を気遣って下さり、周りの先生方も仕事をフォローをして下さいました。
おそらく、私に与えられた仕事はかなりセーブされていたと思います。

 


先生の仕事は多岐にわたりますが、メインは三つ。
・毎日の授業の計画・実行
・生徒指導(休み時間に生徒たちの様子を見たり・放課後に話をしたり)
・裏方での事務作業(委員会、学校行事、その他必要なプリントの作成)


あと、部活動の指導などもあります。

 


先生の勤務時間は8時から17時くらいまでですが、なんやかんやで毎日19時過ぎくらいまでかかりました。
働き方改革の一環で、月に一回定時で退校する日もありますが、それ以外は19時に学校を出られればOKといった感じでした。


しかし、トラブルが起きた日やテスト作成の日はそうは行きません。
やばい、テスト間に合わない……っていうときは学校を出るのが21時を過ぎることもあります。

 

 


だーいぶネガティブなことを書きましたが、それでも私の場合は恵まれていました。
行事前やテスト前などの佳境時以外は基本的に19時には学校を出て、家でご飯を作って食べる余裕がありました。
なんとか、普通に過ごせていたのです。

 

 


歯車が狂い始めたのは二学期、常勤講師としての仕事にも慣れたころ。
一人の先生が休職され、その先生の授業クラスを私が引き継ぐことになりました。

 


週四時間、授業のコマ数が増えました。
とはいっても、勤務時間内の空きコマが埋まっただけなので、トータルの勤務時間数が増えたわけではありません。

 


しかし、授業クラスが増えれば雑務が増えます。
プリントの採点やクラスごとに考える授業構成など、空きコマが減った分は授業後の時間へと繰り越されていきます。
今までは19時には学校を出られていたのに、20時を過ぎることが多くなりました。
たった一時間、帰る時間が遅くなった。

 


今までは19時に学校を出て、20時くらいからご飯を作り、21時30分には食べ終わって、一時間はごろごろする余裕があった。
しかし、20時に学校を出ると、家に着くのは21時。
そこからご飯を作って、食べるともう22時を超えています。
食べ終えた食器を洗って、お風呂に入って、ああやっと自由時間だ、と思えばすでに日付は変わっている。
何かをしたくても早く寝なければ明日の6時に起きられない。

 


たった一時間。
たった一時間帰るのが遅くなっただけ。
たったそれだけで、私の生活は学校と家を往復するだけになってしまった。

 


たった一時間変わるだけで、人間の心は壊れる。
私は助けて欲しかったのだと思う。
でも、それを相手に望むのは酷なことだった。