今日を摘む

ハガキでは間に合わないときの手紙ばこ。

万年筆について その2 インクという彩りの世界へん


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通販で買った万年筆が不良品でショックを受けたり、
雑誌の付録の万年筆を気に入ったけれど、替えのカートリッジが分からず、泣く泣くあきらめたり、
最初は運命のいたずらに翻弄されましたが、
3本目に当たるカクノ、4本目のキャップレスデシモと出会い、快適な万年筆生活を迎えることができました。

 


当時は、


 ・家での日記など、ちょい書き → カクノ(M・ブルーブラック)
 ・職場で気合いを入れたい時、手帳用 → キャップレスデシモ(F・色彩雫の竹炭)


という感じで使い分けていました。


この二本だけで満足し、しばらくは新しい万年筆に手をだそうとも思いませんでした。
転機となったのは、美しいボディカラーの万年筆と出会いでした。

 


5本目:セーラー(F・赤)


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キャップレスデシモを手に入れて半年ちょっと過ぎたころ。
ハンズメッセで目当ての品物を購入し、満足した気持ちで文具コーナーをうろついていたら、なんとハンズメッセでは万年筆(一部の商品をのぞく)も割引になっているではありませんか!


ディスカウントされ3,000円ほどになっていたのは、セーラーの赤いボディの万年筆でした。美しい赤いボディを見て、


「この赤いボディに血みたいな赤いインクを入れたらめちゃくちゃかっこよくない!?」


と、直感で思いました(発想が中二病)。
このとき初めて、“ボディカラーに合わせてインクを選ぶ”という楽しさを知りました。


商品を軽く持たせてもらい、手への収まりを確認したところでお買い上げ。
一緒に純正のカートリッジ式の赤インクも購入しました。

 

 


実際に赤インクを入れた万年筆を使ってみると、とっても新鮮な感じがしました。


いつの間にか刷り込まれていた、


 ・黒 → 普段の筆記用
 ・赤 → 重要部分や丸つけなど、特別な時用


という思い込みががらがらと崩れていきました。


赤いインクで日記を書くと、一ページがまるまる赤く染まります。
やべー! なんかめっちゃいけないことしてる感じがする! 悪いやつになったみたい!!(小6男子の感想や…)

 


私の発想はともかく、なんだか目からうろこが落ちるような感覚でした。


「文字に色がつくのは、特別な時だけ」


そう思っていた世界に虹がかかりました。


私のおすすめは、イヤなことがあった日やブチ切れているときに赤インクを使って日記を書くことです。
色の相乗効果で完全燃焼でき、スッキリするのでおすすめです!

 


色つきの文字を書く楽しさに目覚めた私は、少しずつ色の世界に手を伸ばし始めました。 

 


6本目:カクノ(F・色彩雫躑躅つつじ)


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東急ハンズで売り出されていた「カクノ・色彩雫のミニ瓶・コンバーター」のセットです。赤紫のインクがとってもキレイ!


7本目:ペリカン ツイスト(F・四季色の金木犀


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試しに手にとってキャップを取った瞬間、確信しました。
このボディにはオレンジだ、と。


そうです、弐号機カラーです!


8本目:IWI Safari 

              気高き孔雀(EF・三光堂オリジナルインクの鶴舞ブルー)


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ボディの美しさに一目惚れしました。
まずネットで存在を知ったのですが、いかんせん字幅がEF(めっちゃ細い)だったんですよね。
ペン先の細い万年筆ってインクフローがよくなさそうだし、私はぬらぬらインクが出るほうが好みだし…。


あと一歩が踏み出せなくて尻込みしていたところ、ちょうどシーサーさんのチャンネルで同品のレビュー動画が出てたので、それをチェック。


動画でのインクフローは良さそうだったので、購入を決定しました。
(あと、この動画を見ていなかったら余分にコンバーター買ってたと思う。あっぶね!)


実際に購入して分かったことですが、この万年筆、とても細いです。
ボールペンより細いのでちょっとびっくりしました。

 


国産万年筆と外国産万年筆について


ペリカンツイストはドイツ製、IWIのSafari台湾製なのですが、正直に申し上げて、この二本は私の手になかなかなじみませんでした。


書いていると、「さ」「き」などの一画目の横画がインク飛びを起こすんですね。
1,000円くらいのカクノを使っていたときは一切そのようなことは無かったので、けっこうイライラしました。
毎回インク飛びが起こるわけではないけれど、万年筆は「サラサラ書けて当たり前」と思っているので。
書き手を煩わせるようなことがあってはいかんでしょ! って思っちゃうんですよね。

 


ペリカンツイストのほうは一回洗浄して、2、3ヶ月使っていたら、ちゃんとぬらぬらと途切れることなくインクが出るようになりました。


しかし、IWIのSafariは使い始めて一週間くらいなのですが、全然良くなる気配がありません。


ううむ。シーサーさんの動画ではちゃんとインクが出てるように見えたんだけど……純正のインクじゃないから? インクの粘度の違い?


おそらく、洗浄したり数ヶ月くらい使い続けたりすればちゃんとインクが出るようになるとは思うんだけど、なかなか……。

 


この子、ボディカラーもデザインも超絶イケメンなんですよね。
「気高き孔雀」という名に恥じぬよう、ダークめの水色インクにして、「生きるか死ぬかの自然界で、美しかった羽根は泥にまみれ、所々ちぎれてしまったけれど、その目は生き物としての誇りを失っていない」というコンセプトまで決めたのに…!


ちょ、頼むからちゃんとインク出して! 普段使いにさせて!! って感じ。
(憑依型の天才アイドルと、その子のご機嫌取りをする中年プロデューサーの構図だ…)

 


そんなこともあり、「やはり国産万年筆が最強か…」という境地に至りつつあります。
こうして、国産万年筆信者は増えていくんですね。

 


おわりに


基本的に面倒くさがりなので、1ボディ、1カラーで使っています。
洗浄して色を変えて…というのが面倒なので、インクだけ集めるということはやっていません。


赤、青、黒、オレンジは持っているので、次買うなら緑か青紫かな。
薄ピンクもいいかもしれない。
最近気になっているのは、セーラーのプロフィットギア スリムミニです。
次買うなら金ペンがいいな!

 


「ボディに合わせてインクを選ぶ」という楽しみができるのは、万年筆ならではですよね。
学校や職場では文字=黒がデフォルトですが、万年筆のインクはその呪縛を解き放ってくれます。

個人的には「全くの初心者です」という方には、カクノをおすすめします。

 


万年筆が教えてくれるのは、書く楽しさ。
そして、色のある世界です。


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